事業計画書の作り方【中小企業診断士が作成方法・注意点を項目ごとに徹底解説】

目次

最初に

中小企業診断士の大石と申します。宜しくお願い致します。

この記事では、

  • 独立したがまだ事業計画書を作成していない!
  • 事業計画書を作成したいが作成方法がわからない!
  • 補助金を自社で申請したい!

という方に向けて、「事業計画書の作り方」について、中小企業診断士として独立し、活動している私、大石が解説します。

実際の支援現場での経験を基に解説しておりますので、一つの参考としてお役立ていただけると思います。

結論

事業計画書は、「現状を分析する」「方向性を決める」「必要資源を特定する」「実行体制を整理してスケジューリングする」「計画書の内容を確認する」という流れで作成します。

また、記載する内容は「企業概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「経営方針と目標・今後のプラン」という4項目が挙げられます。

作成する目的を踏まえ、「計画書の内容を他者に説明し、理解してもらうこと」意識して「一貫性」「具体性」のある計画書を作成しましょう。

自社だけのオリジナルの事業計画書を作成してみてください!

事業計画書作成の目的

事業計画書作成の目的は、大きく分けて以下の2つです。

事業の将来を見通すため。

事業計画書を作成することで、自身の置かれている状況や考えを整理することができ、進捗も確認することができます。また、リスクについても事前に予測しておけば、不測の事態に備えることもできます。

資金を調達するため。

補助金申請や融資申込などの場面では、事業計画書があることで他者に事業を説明しやすくなります。

もう少し細かく分解すると、以下のような目的が挙げられます。目的を意識して作成に臨みましょう。

  • 目標の明確化: 事業の短期・長期の目標や達成基準が明確になり、方向性が定まる。
  • 戦略の策定: 市場分析や競争環境の理解をもとに、効果的な戦略やアクションプランを立てることができる。
  • 資金調達の支援: 投資家や金融機関に対して事業のビジョンや計画を説明しやすく、資金調達の可能性が高まる。
  • リスク管理: 潜在的なリスクや問題点を事前に把握し、それに対する対策を講じることができる。
  • 進捗管理: 計画に基づいた進捗管理が可能となり、目標達成に向けた実行状況を定期的にチェックできる。
  • チームの一致: スタッフや関係者に対して事業のビジョンや目標を共有し、チーム全体の一致した方向性を持たせることができる。
  • 意思決定のサポート: 経営判断を行う際の参考となるデータや分析を提供し、より良い意思決定をサポートする。
  • 市場理解の深化: 市場調査や競合分析を通じて、業界の動向や顧客ニーズについて深く理解できる。
  • 戦略的見直し: 定期的に事業計画を見直すことで、ビジネス環境の変化に柔軟に対応し、戦略を修正することができる。
  • 評価と改善: 計画に基づく成果の評価を行い、必要な改善点を洗い出して事業の質を向上させる。

事業計画書に書く内容

事業計画書に書く内容は、主に以下の4つに分けられます。

企業概要

事業の属する業種・事業を行う目的・経営理念・創業者の経歴・事業所の立地場所・製品やサービスの内容・抱えている課題など、「その企業がどんな企業なのか」がわかる内容を記載します。

顧客ニーズと市場の動向

顧客のクチコミ・顧客層・事業の属する市場が拡大傾向にあるか、商圏分析の内容など、「顧客がどんなことをているか」「商圏内に顧客が存在するのか」がわかる内容を記載します。

自社や自社の提供する商品・サービスの強み

自社が顧客から評価されている点・創業者の経歴や資格・サイトの評価点数やアンケート結果などの数字根拠など、「自社が他社より優れていると考えられる点」を箇条書きなどでわかりやすく記載します。

経営方針と目標・今後のプラン

自社の経営方針・目標売上計画・今後の具体的なプランなど、「今後どのようになりたいか」「どれくらいの売上利益を見込んでいるか」「目標達成のためにいつ何をするか」がわかる内容を記載します。

事業計画書には、特に決まったフォーマットはありません。上記項目もあくまで参考になりますので、自身の書きやすい項目を決めて書いてみましょう。

※補助金申請や融資申込の際には所定のフォーマットが用意されていることもあります。

事業計画書の作成方法

事業計画書作成の流れは、以下になります。

STEP
現状を分析する

自社にはどんな強み・弱みがあり、どんな機会・脅威が考えられるかなど、現状を分析します。

STEP
方向性を決める

現状分析の結果から課題を抽出し、事業をどのように進めていくか、というストーリーを考えます。

ここで、売上計画についても検討します。

STEP
必要資源を特定する

事業を進めていくうえでどんな資源が必要かを考えます。

設備投資や広告費など、必要経費について検討します。

STEP
実行体制を整理してスケジューリングする

誰が、いつ、何をするのか、について考えます

事前に担当者や具体的な時期、実施内容を決めておくことで、計画を進めるうえでの目標ができ、進捗管理もしやすくなります。

STEP
計画書の内容を確認する

最後に、出てきた数字やストーリーに矛盾がないかどうかを確認します。 

確認時には、「計画書の内容を他者に説明し、理解してもらうこと」を意識します。

事業計画書作成時の注意点

私が支援現場で注意している点は、「一貫性」と「実現性」があるかどうかです。

一貫性

計画書を作成していると、同じ意味の言葉が違う単語で記載されていたり、根拠となる数字と売上計画の矛盾が生じたりします。他者が説明を聞いて理解しやすいよう、上記のSTEP2で決めた方向性に一貫性があるか、STEP5でチェックしましょう。

また、「経営方針」と「実施する施策」についても、方針とずれた施策になっていないか確認しておきましょう。会社の方針とこれからの計画内容がずれていると、なぜこの内容を行うのかがわからなくなり、他社への説明にも説得力がなくなります。最後には必ず矛盾を確認するようにしましょう。

実現性

計画書はあくまで「実現」するための計画書です。この実現性を高めるためには、根拠となるような数字を用いて記載する必要があります。既存顧客の数字データがない場合には同業の他社データや公的データでも構いませんので、具体的な数字を用いて記載することを心がけましょう。

  • 「他者に説明して理解してもらうこと」を意識して作成しましょう
  • 根拠となる数字など、具体性を示すことができると説得力が強まります。

まとめ

事業計画書は、「現状を分析する」「方向性を決める」「必要資源を特定する」「実行体制を整理してスケジューリングする」「計画書の内容を確認する」という流れで作成します。

また、記載する内容は「企業概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「経営方針と目標・今後のプラン」という4項目が挙げられます。

作成する目的を踏まえ、「計画書の内容を他者に説明し、理解してもらうこと」意識して「一貫性」「具体性」のある計画書を作成しましょう。

弊社では、事業計画書の作成支援サービスを提供しております。経営の専門家である中小企業診断士がサポートさせていただきますので、ぜひご検討ください。お読みいただきありがとうございました!

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